青色申告会について

青色申告会とは

1949(昭和24)年5月、税制改革と行政安定のため、カール・S・シャウプ博士を団長とする税制使節団が来日し、同年8月に「日本税制報告書」いわゆる「シャウプ勧告」が発表されました。この勧告にもとづき申告納税制度の中核をなす青色申告制度が誕生し、翌1950(昭和25)年1月に施行されました。
「青色申告会」は個人事業主を中心として組織される納税者団体です。「税は公平でなければならない」というシャウプ勧告をもとに、納税者が自主的につどい、結成されました。
それから今日に至るまで、青色申告会は正しい申告・納税を勧め、公平な税制の創設、社会保障制度の改善を要望し、税制改正史上数々の成果をあげてきました。全国各地の青色申告会は、会員の中から選ばれた役員を中心に自主的・民主的に運営されています。その活動は会ごとに特徴をもち、後継者専従者や若手経営者を中心とした青年部や、配偶者専従者を中心とした女性部が組織されるなど、多彩な活動を展開しています。

ユニークな特徴をもつ納税者団体「青色申告会」
世界でも例を見ない、ユニークな存在の青色申告会。
理由はその際立った特徴にあります。他国の納税者組織の場合、主たる活動は、政府の活動や税制の制限を要求することに専念するのが通例です。これは、税制を脆弱化させ、政府は支出を埋めるために紙幣の印刷に頼るようになります。その結果、絶え間ないインフレを招くことにもなりかねません。しかし、日本の青色申告会は、納税者と税務官吏が一体となり、脱税もなく、適正に税法を機能させる努力を払っています。
こうした納税者と税務当局の相互理解は、税務上の対立を回避する原動力となるでしょう。また、立法機関にとっても、租税制度が執行可能かどうか否かを判断するための有効な情報源となるものです。
青色申告会結成40周年に博士からいただいたメッセージより

公平な税制の実現に向けて

「正直にマジメに帳簿をつけても、白色申告者より税金が高くなるのはバカらしい」という会員の声をうけて、「正直者がバカをみない税制の確立」のために青色申告会の税制改正運動がはじまりました。「仕事をする家族への給料を経費として認めてほしい」という思いは、青色事業専従者給与として認められ、いまでは当然のこととして多くの青色申告者が利用しています。
現在も、個人事業主への給与の支払いが認められるよう「事業主報酬制度の確立」、個人事業主の事業の継続と発展のために「事業承継税制の創設」など、青色申告会は精力的に運動を展開しています。

青色申告会の運営と組織図

青色申告会の運営

青色申告会は、青色申告をおこなう個人事業主を会員として結成され、会員からの会費により運営されています。各役員は会員から選ばれ、ボランティアとして青色申告会の運営に携わっています。

青色申告会の憲章と綱領

青色申告会は誠実な納税者の団体として、結成当初から憲章を定めています。
誠実な青色申告者の立場から、税務の民主化と合理的な税制の確立に努め、また、青色申告を用いて経営の合理化、事業の繁栄、生活の改善を達成し、国民経済の発展や福祉の増進に努めることを目的としています。

綱領
  1. われらは誠実なる青色申告者として税務の民主化と合理的な税制の確立を期す。
  2. われらは青色申告を基礎とした中小企業等の経営合理化を図り、国民経済の発展を期す。
  3. われらは青色申告を通じ生活の改善を図り、国民福祉の増進を期す。

青色申告会の結成40周年を記念して開催された、青色申告制度施行40周年記念式典(1990年10月2日開催)では憲章を採択しています。

青色申告会憲章
われわれは、自らの経営の発展に資するため、研鑽を重ねるとともに、誠実な納税者として、その権利を主張し、義務を遂行する。

われわれは、奉仕の精神のもと青色申告運動の理想を掲げ、組織活動を強力に推進し、公正な社会の実現に向けて精励する。

われわれは、申告納税制度を守り、青色申告運動を通じて優れた人格と資質を養い、若い力を育て、社会の発展に寄与する。

われわれは、民主的な税制の確立を求めて、小規模事業者の経営の発展と生活・文化の向上を目指して団結し、青色申告運動に邁進する。
平成2年10月2日
青色申告制度施行40周年記念式典
全国青色申告会総連合

青色申告会の会歌

1975(昭和50)年、青色申告制度創設・青色申告会結成25周年を記念して「青色申告会会歌」が制定されました。藤間哲郎先生により青色申告会の綱領をもとに作詞を、古関裕而先生により作曲をいただき完成し、青色申告制度創設・青色申告会結成25周年記念式典において発表されました。


青色申告会の組織

一部地域を除き、全国各地の税務署ごとに青色申告会は組織されています。

青色申告会青年部

事業の後を継ぐ専従者や、若手の経営者を中心に、「次のリーダーを育成」するために組織され、多くの役員を輩出しています。

全青色青年部の活動

1980年(昭和55年)の創立以来、青色申告会の次世代のリーダーを育てる機関として「TEN-UP運動」を旗印に、都道県連青色申告会連合会青年部(県連青年部)の協力のもと、ボランティアの青年部員によって運営され、全国各地の青色申告会青年部の活動を支援しています。

青色申告会女性部

青色申告会女性部は、配偶者専従者や女性の事業主を中心に、個人事業で働く女性の地位向上を目指し、ボランティア活動や研修会などをおこない、自己研鑽運動を推進しています。

全青色女性部の活動

全青色女性部は1976(昭和51)年に創立され、以来働く女性の地位向上のために税制改正運動などでも大きな功績を残してきました。