免税事業者のためのインボイス制度リーフレット(Web版)
消費税の2割特例が適用できるか確認しましょう(Web版)
当記事は青色申告会の役職員の研修用に配布された資料を転載したものです。
(令和7年8月1日公開)
1.2割特例が適用できない場合があります
個人の免税事業者がインボイス発行事業者になったときは、売上税額の2割を納税額とする2割特例を令和8年分の申告まで適用できます。
ただし、次のような場合には適用できません。2割特例を適用できないときは、一般課税か簡易課税での申告になります(下記参照)。お早めに青色申告会にご相談ください。
① ことしの2年前(基準期間)の課税売上高が1千万円を超えるとき
② 次の㋐や㋑などの理由で事業者免税点制度の適用が制限されるとき
㋐ ことしの前年1月1日~6月30日(特定期間)の課税売上高が1千万円を超えるとき
㋑ ことしが一般課税により高額特定資産(税抜き1千万円以上の棚卸資産や調整対象固定資産)の仕入れをした年の翌年から2年以内のとき
※ インボイス制度導入前から課税事業者の方がインボイス発行事業者になった場合でも、基準期間の課税売上高が1千万円以下であれば2割特例を適用できます(②に該当する場合を除く)。
2.ことしの2年前(基準期間)の課税売上高の考え方
課税売上高とは、消費税が課税される売上げ、車両や建物などの事業用資産の売却代金、輸出取引などの消費税が免税される売上げなどをいいます。基準期間が、
㋐免税事業者のときと
㋑課税事業者のときでは、課税売上高の考え方が異なります。
㋐免税事業者のとき
売上高には消費税が含まれていませんので、税抜処理をしません。
売上高 1,100万円 ➡ 課税売上高 1,100万円
㋑課税事業者のとき
売上高には消費税が含まれていますので、適用税率ごとに税抜処理をして、その合計を課税売上高とします。
※1 売上返品、売上値引、売上割戻などがある場合は、それらの金額を課税売上高から除きます。
※2 インボイス発行事業者の登録により、年の途中で免税事業者から課税事業者になった場合は、上記の㋐と㋑の期間に分けて計算した金額の合計が1年間の課税売上高になります。
※ 決算書記載の売上金額や収入金額に、住宅の貸し付けによる不動産収入や商品券販売による売上げなど非課税売上げがある場合は、その金額を除きます。
4.税額計算の考え方
❏ 2割特例 ➡ 令和8年分の申告まで適用できます。
❏ 一般課税 ➡ 仕入れや経費の区分記帳とインボイスの保存が必要です。
❏ 簡易課税 ➡ 仕入れや経費の区分記帳とインボイスの保存は必要ありません。
※1 一般課税は、売上げの消費税額より仕入控除税額が大きいと税金が還付されます。
※2 簡易課税は、記帳の負担は軽減されますが、一般課税で申告すれば税金が還付されるケースでも還付されません。
簡易課税で申告するには、原則として前年末日までに簡易課税制度選択届出書を税務署に提出する必要があります。
ただし、前年分で2割特例を適用し、当年分に簡易課税を選択するときは、当年中に同届出書を提出すれば、簡易課税で申告できます。
5.2割特例と簡易課税の納税額試算表
次の試算表は、課税期間を通して2割特例または簡易課税を適用したときの納税額の目安です。消費税は所得税のような延納制度がありません。納税の事前準備をしてください。
