2・3月号

感染症対策を講じて確定申告期にのぞむ[2021年2・3月号]

新型コロナウイルス感染症のまん延にともない、感染防止策を講じた会活動が求められています。とくに決算・確定申告期は、短期間に集中して多くの会員の方々に対応するため、細やかな感染防止策が必要です。各地の青色申告会は事前の検討をかさね、さまざまな取り組みをおこなっています。

感染防止策の実施に向けて

全青色はコロナ禍の本年度、国税局単位で各地で毎年開催する役職員研修を動画配信とし、テーマのひとつに、指導相談活動での感染防止をとりあげました。
指導相談会場の設営、実施日程の前倒しや期間延長、予約制の導入、税理士会など関係団体との事前調整、消毒薬やアクリル板など備品の準備、そのための予算措置など留意点を整理し、令和2年分の決算・確定申告期に向けた十分な準備を各会に求めました。また、会場を訪れる会員の方々に感染防止への協力を求めるポスターを制作しました。

感染防止の取り組み

各地の青色申告会は、マスク着用、3密(密閉・密集・密接)回避、手洗い、手指や人がよく触れる場所の消毒などの基本的な対策に加えて、それぞれの状況に応じた感染防止策に取り組んでいます。次の3会の協力のもと、その実例を紹介します。

●一般社団法人静岡青色申告会(静岡県)
●山形青色申告会(山形県)
●一般社団法人みどり青色申告会(神奈川県)
※ 掲載写真は年末調整(源泉徴収)の指導相談時

■事前準備と予約システムの導入

静岡会では、9月に開催した役員会でコロナ禍での指導相談体制の協議をおこないました。例年に比べて指導相談日数を2日増やすとともに(パソコン会計指導を除く)、完全予約制の改善(インターネット予約システムの導入)、検温・手指の消毒・マスク着用のお願い、席の間隔をとった待合席の確保、ビニールシート・アクリル板などの設置、指導時間短縮のための決算書の事前提出のお願いなどの方針がまとめられました。
受付から指導終了までの来会者の動線をもとに、さらに感染リスクの検討が加えられ、筆記用具など備品の共同利用を廃止しました。

■会員広報と会場の分散化

山形会では、感染拡大防止への協力をお願いする会員宛文書を11月に発送しました。年末調整や決算・確定申告の個別相談会は、体調不良や2週間以内に感染者との濃厚接触がある方などに来会を遠慮していただく要請をおこなうとともに、来会当日はマスク着用、手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保、持ち込んだ飲料などのごみの持ち帰り、電卓・筆記用具の持参などの協力を求めました。さらに職員に感染者が発生した際には相談業務の休止が想定されるなか、その場合は関係機関と協議のうえ、対応する旨の案内が加えられました。
山形会の会館内では、指導相談会場が1階と2階に分けて設けられ、指導相談に従事する職員もそれぞれの担当フロアを決めて配置されています。人の密集を避けるとともに、万一、感染者が発生した際の対応を容易にしました。

■補助金の活用と事前情報の提供

みどり会では、神奈川県の中小企業・小規模企業感染症対策事業費補助金(補助上限額:100万円、補助率:補助対象経費の4分の3以内)を活用し、アクリル板や隣席とのパーテーション(吸音式)、非接触型の検温器などを配備しました。会財政の負担を抑えながらも大幅にレイアウトを変更し、アクリル板越しのパソコン画面の共有や、換気効率を確認する二酸化炭素濃度測定器の導入など、来会する方々が安心して利用できる環境を整えました。
また、予約システムを導入して、1回45分の完全予約制としています。会計ソフト「ブルーリターンA」の利用者が多いことから、会独自にソフト利用者の自己点検手順書を作成・配布し、来会当日までの事前準備をサポートしました。
[カテゴリ:各会の取組み,確定申告,サービス][2021年2・3月号 6-7ページ掲載記事]
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