1月号

令和2年分確定申告に向けて[2021年1月号]

令和2年分の所得控除のあらましを掲載します。税制改正により、控除内容や要件などが変わっているものがありますのでご注意ください。ご不明な点は、国税庁のホームページや最寄りの税務署でご確認ください。

税制改正・所得税申告書の様式変更

基礎控除額が引き上げられ、給与所得控除額、公的年金等控除額などが引き下げられました。これにより、同一生計配偶者、扶養親族、源泉控除対象配偶者などの合計所得金額の要件がそれぞれ10万円引き上げられています。また、ひとり親控除が創設されるとともに、寡婦(寡夫)控除が見直されました。 これらの改正にあわせて、所得税の申告書の様式も変更されていますのでご注意ください。会計ソフト「ブルーリターンA」は、バージョンアップによりこれらの改正・新様式に対応しています。

所得控除のあらまし

基礎控除を除いた各控除は、令和2年12月31日(対象となる人が年の途中で死亡したときは死亡の日)の現況により判定します。なお、控除対象となる人の生年月日の記述は令和2年分の申告の場合です。

▼社会保険料控除
納税者が納税者自身または納税者と生計を一にする配偶者その他の親族のために、その年中に支払った国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険、国民年金、国民年金基金などの保険料があるとき、その金額が控除額になります。

▼小規模企業共済等掛金控除
納税者がその年中に支払った小規模企業共済や確定拠出年金法にもとづく個人型(iDeCo)などの掛金があるとき、その金額が控除額になります。

▼生命保険料控除
納税者がその年中に支払った一定の生命保険契約の保険料があるとき、図表1の計算で求めた金額が控除額になります。


▼地震保険料控除
納税者がその年中に支払った地震保険や旧長期損害保険の保険料があるとき、図表2の計算で求めた金額が控除額になります。

▼寡婦控除・ひとり親控除
納税者(合計所得金額が500万円以下の人に限る)が寡婦またはひとり親のいずれかに該当するとき、図表3の金額が控除額になります。

▼勤労学生控除
納税者が勤労学生のとき、27万円が控除額になります。
※ 合計所得金額が75万円より多い人や勤労によらない所得が10万円より多い人は、この控除の適用は受けられません。

▼障害者控除
納税者、同一生計配偶者または扶養親族が障害者のとき、その障害の程度などに応じて図表4の金額が控除額になります。

▼配偶者控除・配偶者特別控除
納税者に生計を一にする配偶者がいるとき、納税者と配偶者のそれぞれの合計所得金額や配偶者の年齢に応じて図表5の金額が控除額になります。

▼扶養控除
納税者に控除対象扶養親族がいるとき、その年齢に応じて図表6の金額が控除額になります。

▼基礎控除
納税者の合計所得金額に応じて控除額は、48万円(合計所得金額2,400万円以下)、32万円(同2,400万円超2,450万円以下)、16万円(同2,450万円超2,500万円以下)となり、2,500万円を超える場合は適用されません。

▼雑損控除
納税者や総所得金額等が48万円以下で生計を一にする配偶者その他の親族が、災害や盗難、横領により住宅や家財などに損害を受けたときや納税者が災害関連支出をしたとき、図表7の計算で求めた金額が控除額になります。

▼医療費控除
納税者または納税者と生計を一にする配偶者その他の親族のために、その年中に支払った医療費から保険金などで補てんされる金額を除いた額が一定の金額以上のとき、図表8の計算で求めた金額が控除額になります。
※ 新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査費用やオンライン診療費用などの取り扱いについて、詳しくは国税庁のホームページでご確認ください。

▼セルフメディケーション税制
健康の保持増進や病気予防に一定の取り組みをおこなっている納税者が、納税者または納税者と生計を一にする配偶者その他の親族のために特定一般用医薬品などの購入費を支払った場合には、図表9の計算で求めた金額が控除額になります。
※ 医療費控除とセルフメディケーション税制はいずれか一つを選択して適用します。

▼寄附金控除
納税者がその年中に支払った特定寄附金があるとき、図表10の計算で求めた金額が控除額になります。
※ 新型コロナウイルス感染症などの影響に対応するための措置が設けられています。詳しくは国税庁のホームページに掲載の確定申告の手引きをご確認ください。
[カテゴリ:確定申告,所得控除,所得税][2021年1月号 4-8ページ掲載記事]
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