10月号

平成31年度 税制改正要望意見[2018年10月号]

全青色は、全国の青色申告会から寄せられた多くの要望をもとに、平成31年度税制改正要望意見を取りまとめました。これまで個人事業主に報酬の支払いを認める事業主報酬制度を要望してきましたが、働き方の多様化に応じた所得税の抜本改革が今後も予定されるなか、今年度から青色事業主勤労所得控除を要望します。シャウプ勧告も、事業所得者にも給与所得者と同様に勤労控除を要求する根拠があると指摘しています。個人企業の活力を取り戻すためにも、要望実現を求めて税制改正運動に取り組みます。全国の青色申告会の役職員、会員各位のご支援、ご協力をお願いします。

最重点要望事項

1.青色事業主勤労所得控除の早期実現
わが国には、個人事業主の勤労性所得を認める税制上のしくみはない。一方、個人企業と経営実態が類似する同族法人企業の社長には、役員報酬の支払いが認められている。両者に共通する勤労性所得に対する課税のあり方に不公平が生じている。このため個人事業主と社長とでは、所得税・住民税での税負担に大きな格差がある。
青色申告をおこなう個人事業主に勤労所得控除の適用を所得税法上に認めることは、両者に対する課税のあり方を公平にすることができる。青色事業主勤労所得控除の早期実現を要望する。

2.個人企業における事業承継税制の確立
個人・法人を問わず企業の継続と発展は地域経済を支える。個人企業の事業承継時に事業用資産を非課税とする等の負担軽減措置(土地を除く)を認めた事業承継税制の確立を強く要望する。

3.消費税制の簡素化
① 軽減税率制度の見直し
平成31年10月以降に予定している「軽減税率制度」の導入は、その対象品目の区分けが消費者と事業者の双方にとってわかりにくく、小規模事業者の納税事務の負担が過重となることから、対象品目をはじめ軽減税率制度のあり方を見直すことを要望する。
② 適格請求書等保存方式 (インボイス制度)への移行の見直し
平成35年10月以降に予定されている「適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)」への移行は、小規模事業者の納税にかかわる事務負担に多大な影響を与える。あわせて同方式により免税事業者が、取引から排除されることが想定できる。
これまで請求書等にもとづいて、取引を課税・非課税・不課税等に区分経理等をする記帳をおこなってきた。複数税率が導入されても請求書等に一定の記載事項を追加することにより、区分経理等には十分に対応することができる。インボイス制度への移行を取りやめ、現行の請求書等保存方式を堅持することを要望する。

4. 青色申告特別控除 10万円を30万円に引上げ
白色申告者の記帳義務の拡大にともない、その記帳水準の向上のために、青色申告特別控除10万円を30万円に引き上げることを要望する。

重点要望事項

1.青色事業専従者給与
青色事業専従者給与の届出制を廃止すること。

2. 消費税「簡易課税制度」の事前届出制の省略
「消費税簡易課税制度選択届出書」の事前届出制を省略し、その課税期間の確定申告期に提出する確定申告書で簡易課税制度の選択をできることとし、あわせて従来の2年継続適用については1年にすること。

3.償却資産の取扱いの改善
(1)償却資産に対する免税点(現行:150万円)を基礎控除にあらため、控除額を大幅に引き上げること。
(2)申告期限を3月15日(現行:1月31日)に延長するとともに、所得税の確定申告書を提出した者については、償却資産の申告書の提出を省略すること。

4.個人事業者番号の導入
国税庁の公表サイトに掲載される法人番号はだれもが自由に活用できる。一方、同番号にかわる個人事業者の番号は、個人番号(以下「マイナンバー」という)となる。マイナンバーは、周知のとおり税・社会保障・災害対策のみに活用が限定されている。個人事業者が法人と同様に広く事業活動をおこなうにあたり、公平かつ公正な経済活動の促進の観点から、個人事業者番号を導
入すること。

5. 税務行政に関わる諸手続の簡素・合理化
各種届出書等の廃止を含めた手続の簡素化等、抜本的な見直しをおこなうこと。

「その他の要望事項」を含めた税制改正要望意見の全文は関連リンクから参照ください。

[カテゴリ:全青色, 税制改正運動, 要望意見][2018年10月号 4-5ページ掲載記事]