11月号

平成26年10月適用の最低賃金の改定について 執筆:布施直春(元厚生労働省 長野・沖縄労働基準局長)[2014年11月号]

都道府県労働局は、最低賃金法にもとづき、雇用主が労働者に支払う賃金の最低額を定めています。平成26年10月から適用される最低賃金が発表されました。

最低賃金とは

最低賃金は雇用形態(常用、臨時、パート、アルバイト、嘱託等)や性別、国籍等を問わず、日本国内で働くすべての労働者(外国人技能実習生を含む)に適用されます。雇用主は最低賃金額に満たない賃金で従業員を雇うことはできず、かりに最低賃金額より低い賃金を雇用主と労働者の合意のうえで定めても、最低賃金法によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。また、雇用主が労働者に最低賃金額未満の賃金を支払った場合、最低賃金額との差額を支払うこととなります。最低賃金額以上の賃金を支払わない場合には、罰則(50万円以下の罰金)があります。
最低賃金は都道府県ごとに地域別最低賃金が定められ、さらに特定の産業・職業について特定(産業別)最低賃金が定められている場合があります。地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金の両方が適用される労働者には、高い方の最低賃金が適用されます。
なお、一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため、次の①から⑤の労働者については、雇用主が所轄の労働基準監督署を経由して、都道府県労働局長の許可を受けることを条件として、個別に最低賃金の減額の特例が認められます。
①精神または身体の障害により著しく労働能力の低い方
②試用期間中の方
③基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方
④軽易な業務に従事する方
⑤断続的労働に従事する方

最低賃金額以上となっているかの確認方法

最低賃金額は時間額によって定められています(一部の特定〔産業別〕最低賃金は日額と時間額が定められています)。日給制や月給制で賃金が支払われている場合は、賃金額を時間あたりの金額に換算して比較します。
日によって定められている賃金(日給制)については、その金額を1日の所定労働時間数(日によって所定労働時間が異なる場合には、1週間における1日平均所定労働時間数)で割った金額と最低賃金額を比較します。
月によって定められている賃金(月給制)については、その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間が異なる場合には、1年間における1か月平均所定労働時間数)で割った金額と最低賃金を比較します。なお、月給制の場合、最低賃金との比較対象となるのは、所定内賃金のうち基本給と諸手当(精皆勤手当、通勤手当、家族手当等。臨時に支払われる賃金〔結婚手当等〕は除く)です。
※ご不明な点や個別事案等については、お近くの労働基準監督署などにご相談ください。
[カテゴリ:雇用][2014年11月号 6-7ページ掲載記事]